生成AIの社内導入の進め方:目的から効果の測り方まで
生成AIを社内で使い始めるとき、どこから決めればよいかは迷いやすいものです。総務省と経済産業省のAI事業者ガイドライン(第1.2版)は、AIの目的を明確にし、便益とリスクを経営層で共有して、取組を適時に見直すことを示しています。社内で動かせる順番に、7つにまとめました。
何のためにAIを使うか、業務ごとに書く
目的は、業務の困りごとと、得たい成果を一文で書いたものです。ガイドラインは、事業で価値を生むことや社会課題の解決などのために、AIの開発・提供・利用の目的を明確に定義することを示しています。目的が書けていれば、後で効果を測る基準にもなります。
便益と一緒に、意図しないリスクも書き出す
ガイドラインは、AIから得られる便益だけでなく、意図しないリスクも、自社の事業に照らして具体的に理解することを示しています。リスクの例には、ハルシネーション等による誤った出力や、機密情報の流出があります。業務ごとに、便益とリスクを一行ずつ書き出します。
経営層が決め、部門をまたいで担当を分ける
ガイドラインの行動目標は、経営層のリーダーシップの下で目的を明確にし、便益とリスクを経営層に報告して共有することを前提にしています。部門間の協力によるAIマネジメントの強化も挙げられています。情報システム、総務、利用する現場の担当を決め、誰が何を判断するかを一覧にします。
最初は、目的がはっきりした一部の業務で試す
試す業務は、目的と成果が見えやすく、扱う情報の種類が限られる仕事から選ぶと進めやすくなります。試す期間と、見る指標(使った回数、かかった時間、誤りの件数など)を先に決めておきます。ガイドラインは、AI利用者に安全を考慮した適正な利用とセキュリティ対策の実施を示しています。
使う人の習熟度を確かめ、教育を続ける
ガイドラインは、自社のAI習熟度を理解することと、AIマネジメントを担う人材のリテラシーを高めることを行動目標に挙げています。試す前に、部署ごとに使い方の知識を短いアンケートで確かめておきます。教育は一度で終わらせず、新しく使う人にも続けます。
ゴールとのずれを評価し、対応を決める
ガイドラインは、AIガバナンスのゴール(目指す状態)を定め、ゴールとのずれを評価して対応することを、行動目標に挙げています。効果の測り方は、このゴールと実際の結果を比べる形で決めます。例えば、目的に掲げた業務の時間が減ったかを、月ごとに確かめます。
チェックリストで取組状況を確かめ、見直す
ガイドラインの別添7には、全ての事業者向けのチェックリストがあります。自社の事業内容やAIの規定などに合った独自のチェックリストを作り、更新して活用することも示されています。行動目標の見直しも、適時に行うことが示されています。
社内で生成AIを広げるときは、ルールを作るだけでは回りません。目的とリスクを書いた紙一枚と、担当の一覧があれば、最初の試しを始められます。
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