退職者の情報持ち出しを防ぐ、7つの確認
IPA(情報処理推進機構)の「組織における内部不正防止ガイドライン」は、IPAの調査で、営業秘密の漏えいがあった企業の漏えい経路として「中途退職者(役員・正規社員)による漏えい」が36.3%と最も多かったことを紹介しています。転職が当たり前になった今、退職の手続きは情報を守る手続きでもあります。人事と情報システムの担当が一緒に確かめたい7つのことをまとめました。
秘密保持の誓約書を、入社時から取っておく
ガイドラインは、退職時に秘密保持契約(誓約書を含む)を結ぶよう求めています。ただ、退職の時点では提出を断られることもあります。入社時や異動時、重要なプロジェクトへの配属時にも結んでおき、秘密を守る期間を十分に長く定めておきます。
守ってほしい情報を、具体的に書く
「業務上知り得た情報」だけでは、何が対象かがあいまいです。ガイドラインは、対象の情報を客観的に特定できる書き方を求めています。顧客の一覧、図面、見積もりの条件など、その人が扱った情報の種類を書き出します。
退職前に面談し、触れた情報を確かめる
退職予定者と面談し、在職中にアクセスした秘密の情報を一緒に確かめます。面談の内容は記録に残します。自分が開発に関わった情報も会社のものであることを、このときに伝えておきます。
返す・消す情報を、本人に確かめてもらう
誓約書に、返すべき情報や消すべき情報を手元に一切残していないことを確かめる項目を入れます。私物のスマートフォンや個人のクラウドに業務のファイルを置いていないかも、あわせて聞きます。
アカウントと権限は、退職の直後に止める
ガイドラインは、利用者IDや権限の削除を雇用の終了後すぐに行うよう求めています。メールや社内システムだけでなく、テレワーク用のVPN、クラウドのサービス、共有のアカウントのパスワードも対象です。人事の退職日の連絡が情報システムの担当に届く流れを決めておきます。
入館証・PC・USBメモリの返却を一覧で確かめる
入館証や貸し出した機器が返っていないと、建物やネットワークに入られるおそれがあります。貸し出した物を台帳にしておき、退職日にすべて返ったかを一つずつ確かめます。委託先との契約が終わるときも、預けた情報を返すか消してもらい、消したことの確証を受け取ります。
退職の前の一定期間は、PCの使い方を見守る
ガイドラインは、退職の間際に情報の持ち出しが起きやすいとして、一定期間前からPCを情報システムの部門の管理下に置くことを勧めています。例として、アクセスできる範囲を絞る、USBメモリの利用を制限する、記録の確認を強めるといった対策が挙がっています。記録を確かめることは、就業規則や誓約書であらかじめ社員に知らせておきます。
退職者の対策は、退職の日だけで終わるものではありません。入社時の誓約書、日ごろの権限の管理、貸し出した物の台帳がそろっていれば、退職の手続きは確かめるだけで済みます。まずは、直近で退職した人のアカウントが本当に止まっているかを確かめるところから始めてください。
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